満員電車。


























ぎゅうぎゅうと何でこんな暑い日に、人は好き好んで電車に乗るかな?
いや好き好んで乗ってるわけじゃないってのはわかるけどさ。

ってかどっからこの人数湧いてくるのさ満員電車!

近くの人音楽漏れてるし、音量下げろっての!

その前に酸素プリーズ!!ギブミー酸素!!

思い切り息を吸い込もうとすると、隣のおじさんの体臭が
口いっぱいに広がりそうでイヤ。(笑)



あー何か気分悪ー。



苦しさ限界かなーって思ったとき、ふっと楽になった。

後ろの人が身体引いてくれたみたいで、
あたしは人の優しさに触れて感動したよ!
人生捨てたもんじゃないね!!

後ろの人物が気になって、ちょっと首を回して見てみる。



いや、とてもイカツイおっさんだったらどうしようかと思ったけどさ。

実際あたしが目の当たりにしたのは正反対な感じ。
青い髪が印象に残る、ちょっとキレイな感じの男の子。


男の子はあたしの視線に気が付いたのか、目が合う。

そして”にこっ”なんて擬音の似合う笑顔を返されたから、
あたしは音速で首を元に戻す。


首痛いかも…。


そいえば、さっき首を元に戻す瞬間に見えたけど、
彼はイヤホンをしてたみたいで、さっきからあたしが
イライラしてた音漏れの原因は彼みたいだね。


でも彼なら良し!!


彼のヘッドホンから漏れてくる音楽はバラードみたいで、
英語の曲なんて知らないけど、なんか好きな感じの曲。












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




ガタンという電車の揺れで我に返る。

次の駅名が表示されてる電光掲示板に目をやると…。




絶句。

降りる駅過ぎてるよー!!
もしかしてあたし今寝てましたかー?


ハッ!よく見たら空いてるし電車!!


車両の真ん中でよく倒れずに寝れたもんだあたし!






・・・ちょっとばかし冷静になってみよう。

とりあえず、車内の人々があたしを見て笑っているのだけはわかった。

なぜー?




そしてあたしはやっと車両のど真ん中なのに、
やたら安定感がある事に気が付いた。


恐る恐る後ろを向いてみると・・・。







青い髪の男の子がいた。




またもや高速首戻し。

あ、また首痛ー。

ちょっとパニック起こしてる頭に追い討ちが。



「目、覚めた?さん。」



なんで名前知ってるんですかー?



「お、おかげ様で。」



と告げた所で、電車がどっかの駅に着いた。(駅名見る余裕なし))

あたしは彼の事知らないのに彼があたしの名前を知ってることに対して、
ちょっと怖くなって逃げようと電車を降りる為、走った。


走った、んだけど。






ピーン。









所変わって、ここは駅のベンチ。



「なんか、重ね重ねゴメンナサイ。」



そう、降りようとしたあたしの髪の毛は見事に男の子の
制服のボタンにからまっていたのですよ。

今、彼はボタンから髪を外そうと頑張ってくれてます。



「別に気にしなくていいから。驚かせたの俺だし。」



まったくその通り。

声に出しては言えないけれど。



「何であたしの名前・・・」

「前に・・・」


同じタイミングで話し始めてしまってちょっと恥ずかしい。

男の子はまた”にこ”って感じの微笑を浮かべて話し始めた。


「俺、前にさんの事電車で見かけたことがあるんだ。
 その時さん友達と乗ってて、それで名前知った。」

「あ、そうなんだ。」


名前を知ってる謎が解けて少し安心したよ、あたしは!


「あと、俺は司馬葵。」

「・・・司馬君。」

「ん?」

「え?あ、いや名前のインプット作業しただけです!」



名前教えてもらって嬉しくって反芻したとは言えないね!



「で。」

「で?」



何が言いたいのでしょうこの人は?



「その時一目惚れしたって言ったら信じる?」

「はいぃー??」



何を言ってるのでしょうこの人は??



「さっきのも役得。」

「・・・すみませんね爆睡して。」



ちょっとふくれて返してみると。



「これも役得。」



ボタンに絡まった髪を持ち上げ口付ける。



「ぎゃあっ!!!」



通りかかった何人かの人が振り返ったけど気にしないで(気にしろよ!)
続ける。



「この髪触ってみたかったんだ。」

「恥ずかしくない?そのセリフ・・・。」

「ん?全然。」



ダメだ!また”にこっ”だよ!!



「遅刻だよ?」

「部活までに行ければいいかな学校。」

「部活?」

「野球。」




運動部なんてちょっと意外かもなんて思ったりして。

ちょっとずつ会話をして、大分時間が経った。





経ったのに。




「・・・まだ取れないの?」




ボタンに髪は絡まったままなんだもん。



「取れないんじゃなくて取らないんだ。
 さんの髪に触れてたいから。」




・・・その笑顔にもう逃げれないと知った、オフピークタイム。





-END-




あとがき(反省文とも言う)
39999HIT氷月様からのリク。
司馬君相手で甘いの!というリクだったんですが、
どうでしょ?(聞くな)
ヒロイン設定も細かく頂いたのに活かしきれてない自分の
文才が肉…じゃなくって憎いです(笑)
やったらテンション高いしねぇ…。
こんな駄文でも貰っていただけたら嬉しいでっすv
能条さくや







ありがとうございました能条さん!!

す・素晴らしい萌え夢を頂いてしまいました…!!!
氷月、能条さんのお宅でキリをうっかり(いや本当に)連番で2つも
踏んでしまい、恐れながらも(笑)申告した所2つ共リクを受けて下さったと言う…!
能条さんは天使の様なお方です…vちなみにもう1つは今マイブームの犬飼夢を
リクエストさせて頂きました!(楽しみ♪)更にヒロイン設定まで…!チョーシこいた
氷月は嬉々としてあるブツを添付しました(秘密)ヒロインは髪が長い様子。…まあ
私の髪が長い故になのですが…ええ、もう実にいい夢を見させて頂きましたとも(御満悦)
司馬君に凭れて寝たり、ボタンに髪絡ませたり、オイシすぎるハプニングてんこ盛りですよ!!(鼻息)
能条さんのメールにも書きましたが、偶然にも背後に司馬君が立った時点で私の髪は自我を持って
彼のボタンに自ら絡まる気満々です。


「フフ……捕まえた。…もう逃がさないよ…?」

とりあえず、逃げとけ司馬――――!!!!




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